歯肉炎によって市中肺炎リスクが増大するかもしれない

Eur J Clin Microbiol Infect Dis 2013; 32: 27–32
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                      配信日 2013-02-13

 

medwireNews:中等度から重度の歯周炎患者は、歯肉が健康な人々と比較し、市中肺炎(CAP)のリスクが高いことを研究結果から示されている。

「十分に立証された研究から、主として歯周感染を有し、口腔内の衛生状態が不良な人々の口腔は呼吸器疾患の感染源とみなすことができる。したがって、肺疾患への進展における潜在的危険因子であることが示唆されている」とEduardo Saba-ChujfiSão Leopoldo Mandic Institute and Research Center、ブラジル・サンパウロ)らは説明している。

これらのことからSaba-Chujfiは、CAPによる入院患者70人および他の疾患による入院患者(対照群)70人を対象とし、歯周の細菌感染のCAPリスクへの寄与について検討した。

European Journal of Clinical Microbiology and Infectious Diseasesでの報告によれば、Saba-Chujfiらは全患者を対象として、歯周ポケットの深さ(pocket probing depth, PPD)、歯周組織の付着の喪失(clinical attachment loss, CAL)、プロービング時の出血(bleeding on probing, BOP)および歯垢の有無を評価するため、詳細な歯周検査を実施した。

CALおよびBOPの数値はCAP群で対照群よりも有意に高く、それぞれ3.16mm1.99mm0.33%0.25%であった。慢性歯周炎の割合もCAP群で対照群よりも高く、61.4%41.4%であった。

しかし、歯垢の有無はCAP群と対照群のいずれも高く、それぞれ97.1%98.6%であり、またPPDのスコアは両群間に有意な差は認められなかった。

年齢、民族、性別および喫煙状況を調整した追加解析から、中等度から重度の慢性歯周炎が存在すると、健康な歯肉を有する場合と比較し、CAPのリスクが4.4倍と有意に増大することが示された。

CAPは公衆衛生上の重要な問題であり、北米および南米の国民における高い罹病率および死亡率の原因となっている」とSaba-Chujfiらは述べている。

「介護施設入所者の適切な口腔衛生は、肺炎罹患率を効果的に低下させ、これらの高リスク集団に有意なベネフィットをもたらし、肺炎による罹病率および死亡率を低下させる可能性がある」とSaba-Chujfiらは結論付けている。

 

市中肺炎:通常の生活を送っている人が町中などでかかる肺炎

Astellas Net Press(アステラス製薬)より 

歯ブラシくわえたまま転倒…乳幼児事故に注意

読売新聞  328() 配信

 乳幼児が歯磨き中に歯ブラシをくわえたまま転倒し、口を負傷する事故が相次いでいるとして、消費者庁と国民生活センターは28日、「歯磨き中は、保護者がそばに付き添って」などと注意喚起した。

 同庁などが全国13の医療機関から事故情報を集めている「医療機関ネットワーク」には、乳幼児の歯磨き中の事故の報告が2010年から今年1月末までに49件寄せられている。歯磨きしながら歩いていて転んだり、踏み台から落ちたりして、口の中にけがを負ったというケースで、ブラシの先端が頬やのどに突き刺さるなどして、手術や入院を要した例もあった。年齢別では、1歳児が最も多く、23件を占めた。

 同庁などが2月、0-3歳児がいる保護者1200人を対象に行ったインターネット調査では、こうした事故が起きていることを知っていた人は約30%にとどまった。       m3.com医療ニュースより

 

 

2013.3.30 岩歯広報部